今日の英語

【英語学習】ジョージ・フロイドさんの事件の記事から読み解く人種差別問題

ジョージ・フロイド氏に起きた悲劇

2020年5月25日にミネアポリス近郊で警察官に殺害されたアフリカ系アメリカ人の黒人男性である。事件当日、買物をしていたフロイド氏に偽札を使用している可能性があるとのことで、店の店員が警察に連絡を入れた。のちに、アメリカのニュースでも店員は、店の手順に則り警察に連絡をしたとのことで、ここまでの事件になるとは考えていなかったと証言している。そして、フロイド氏が車に乗っているところを、警察に引きづり出されたところから、事件が始まった。CCTVや店のカメラを見渡す限り、フロイド氏は特に抵抗することもなく警察に連行されていることがわかるが、警察の証言では、彼が抵抗したためこのような事態になったと伝えている。また、車の中にいたフロイド氏が薬物を使用していたなどとも警察では話があったようだが、フロイド氏が亡くなった今、真相はわからない。

一人の白人の警察官を被疑者と指す告訴状によると、手錠をかけられたフロイド氏が、”呼吸ができない、助けてくれ” と警官におね願いしていたにも関わらず、8分46秒間フロイド氏の頸部を膝で強く押さえつけ、フロイド氏を死亡させた。周りにいた人々も”鼻から血が出ている”、”脈があるか確認してくれ”と居合わせた他の警官に訴えたが、”救急車を呼んでいるから、下がりなさい”と伝えた。その時間の中で、フロイド氏の反応が見られなくなった後の2分53秒間においても当該警察官は頸部を膝で押さえつけていた。彼は手錠を掛けられ顔は路面に押さえ込まれており、救急隊が到着しても、心肺蘇生をする様子もなく、そのまま搬送先の病院で死亡が確認された。その他3名の警察官の関与が確認されている。

こちらで、事件の一部動画を観ることが可能

補助英語

1.Kneeled on this man's neck: knee(ニー)は膝という意味、knee + l =動詞のkneelになり、ひざまずくとなります。訳:この男性の首の上にひざまずくとなります。
2.I am about to die the same: "be about to 〇〇 = いまさに〇〇しようとしている"という文章になります。この動画の中では、この事件現場をみている人が、when my homie diedと警官に伝えた後に、フロイド氏が、この言葉を発しています。homie=友人、人種的バックグラウンドが同じという意味をしており、黒人が白人警官に殺害される事件が過去にも怒っており、それを指して自分の友人が亡くなった時、と事故現場にいる人が放った言葉に対して、”自分も同じように、今死にかけている”とフロイド氏が伝えています。
3.my stomach hurts: 〇〇hurts = 〇〇が痛い、痛むという文章になり、ここでは胃・腹部が痛いと訳します。
4.nose is bleeding: 〇〇 is bleeding = 〇〇が出血しているという文章になり、ここでは鼻血が出ていると訳します。
5.no resistance of arrest : no resistance of 〇〇= 〇〇に抵抗していないとなり、ここでは逮捕に抵抗していないと訳します。
6.trap his breathing : この文では、trap:捕まえる、breathing:呼吸、呼吸を捕まえる=呼吸を止める、ふさいでいるという訳になります。
7.check his pulse : pulse:脈 ここでは、脈を確認しろという訳になります。

事件を受けて全世界が動いた

アメリカでは以前から、黒人に対する警察からの暴力、特に職務質問中の警察が黒人を殺害する暴行する事件が続いており、フロイド氏の事件を機に、米国中で怒りが頂点に達しました。Missouri 州ファーガソンのマイケル・ブラウン氏、New York州のエリック・ガーナー氏など、各地で相次ぎ黒人が犠牲になる事件を機に、「黒人の命は大切」(Black Lives Matter)運動が繰り返し行われていたのです。 フロイド氏が死亡したミネアポリスでは、黒人住民と警察が長年の緊張関係にありました。20167月には、車のライトが点灯ていたため警察に呼び止められた男性フィランド・カスティール氏(32)も黒人でした。そして、彼も警官に撃たれたという事件になりました。

このカスティール氏の事件の前日には、Louisiana州で黒人男性が警察に射殺されています。そして、1ヵ月後の8月半ばには、Wisconsin 州で黒人男性が警察に射殺され、同年9月にはNorth carolina州でも黒人男性が警察に射殺されており、激しい抗議が市内で起きています。警官が誤って入った民家にいた黒人住人を犯人だと思い込み射殺したなど悲劇は止まりません。

"Black lives Matter" ここでは、ブラックーリブスーマターと読むのではなく、ブラック ライブス マター と読む。彼らがアフリカから家畜のように非人道的に輸送されたとき、黒人の命は重要ではなかった。 KKK(Ku Klux Klan=アメリカ合衆国の白人至上主義を唱える秘密結社)の手によって何百人もの人々がリンチされても関係ない。彼らが平等な権利を求めて抗議のデモを行ったとき、犬に襲われても黒人の命は重要ではなかった。そこから黒人の命も白人同様大切なんだよ。とのことで黒人の命も大事という言葉が生まれた。なので、黒人だけではなくみんなの命が大事なんだということが、意味合いに含まれていることを忘れないでほしいです。

 

アメリカ国内だけではなく、全世界に広がるプロテストや暴動"enough is enough" enough 十分という意味であるが、十分が十分という意味は、人種差別問題に対して、十分すぎるという意味をなしています。

マスクを着用して、抗議デモに参加した人たちは「人種差別は世界中の問題」などのスローガンを掲げて通りを行進しました。


著名人の事件に対するメッセージを英語でみてみよう

 メッセージ全文

I want to share parts of the conversations I've had with friends over the past couple days about the footage of George Floyd dying face down on the street under the knee of a police officer in Minnesota.

Conversation: 会話、Past couple days: 過去に振り返っての数日間 Footage:撮影された動画、Face down:顔を伏せる

ミネソタ州でジョージ・フロイドが道で警官の膝の下に顔を伏せて亡くなっていく映像について、ここ数日友人と交わした会話の一部を紹介したいと思います。

The first is an email from a middle-aged African American businessman.

Middle-aged: 中年、African American: アフリカ系アメリカ人

最初は中年のアフリカ系アメリカ人のビジネスマンからのメールです。

"Dude I gotta tell you the George Floyd incident in Minnesota hurt. I cried when I saw that video. It broke me down. The 'knee on the neck' is a metaphor for how the system so cavalierly holds black folks down, ignoring the cries for help. People don't care. Truly tragic. "

Dude:友人、Broke 〇〇 down:〇〇を壊す・ボロボロにする、Metaphor for 〇〇: 〇〇比喩、Cavalierly:傲慢な、 Folks:観衆、 Ignoring:無視する、  tragic:悲劇

"友人よ、ジョージ・フロイドのミネソタでの事件は心が痛む。あのビデオを見て泣いたよ。自分の心をボロボロにしたよ。「首の上の膝」は、アメリカのシステムがいかに冷淡に黒人を抑圧しているかの比喩であり、泣いて助けを求める声を無視している。人々は気にしない。本当に悲劇だ "

Another friend of mine used the powerful song that went viral from 12-year-old Keedron Bryant to describe the frustrations he was feeling.

Viral:ウイルスという意味、この文章ではウイルスのように広がった=話題になったと訳します Describe: 表現する、Frustation:苛立ち、失望

別の友人は、12歳のキードロン・ブライアントから話題になったパワフルな曲を使って、彼が感じている苛立ちを表現していました。

The circumstances of my friend and Keedron may be different, but their anguish is the same. It's shared by me and millions of others.

Circumstances:状況   Anguish:苦悩、苦痛

私の友人とキードロンの状況は違うかもしれないが、彼らの苦悩は同じだ。それは私や他の何百万人もの人が共有しているもの。

It's natural to wish for life "to just get back to normal" as a pandemic and economic crisis upend everything around us. But we have to remember that for millions of Americans, being treated differently on account of race is tragically, painfully, maddeningly "normal" - whether it's while dealing with the health care system, or interacting with the criminal justice system, or jogging down the street, or just watching birds in a park.

Economic crisis:経済危機、 Have to〇〇:〇〇をしなければならない、 Being treated differently: 異なる扱いをされる、Account of 〇〇:〇〇を尊重する、注意を払う、Tragically: 悲劇、 Painfully:苦痛に、 Maddeningly:猛烈に、気の狂ったように、Whether: …かどうか、Interacting: 互いに影響し合あう、Criminal justice: 刑事司法、Jogging:ジョギングをする

コロナウイルスと経済危機の中、日常に戻りたいと思うのは当然だが、私たちは何百万人ものアメリカ人にとって、人種を理由に異なる扱いを受けていることが、悲劇的に、痛々しく、狂気のように「普通にある」ということを忘れてはいけません、それが医療ケアに対処している間であろうと、刑事司法システムとの対話であろうと、通りをジョギングしている間であろうと、公園で鳥を見ている間であろうと。

This shouldn't be "normal" in 2020 America. It can't be "normal." If we want our children to grow up in a nation that lives up to its highest ideals, we can and must be better.

Shouldn't be:〇〇すべきではない、Can't be:〇〇であるわけがない、 Ideals: 理想、Must be:〇〇しなければいけない

これは2020年のアメリカでは「普通」であるべきではありません。「普通」であるはずがない。子供達に最高の理想に向かって成長して欲しいなら もっと良くしなければならない

It will fall mainly on the officials of Minnesota to ensure that the circumstances surrounding George Floyd's death are investigated thoroughly and that justice is ultimately done. But it falls on all of us, regardless of our race or station - including the majority of men and women in law enforcement who take pride in doing their tough job the right way, every day - to work together to create a "new normal" in which the legacy of bigotry and unequal treatment no longer infects our institutions or our hearts.

Ensure:確実にする、保証する、 Surrounding:周囲、 Investigated thoroughly:徹底的に調査され、 Justice:正義、 Ultimately,最後に・ついに、regardless of 〇〇:〇〇…にかかわらず、 Race:人種、 Majority:大半の大部分の、 Law enforcement:法執行、 Tough:大変、厳しい、 Create:作る、創造する、 Legacy:受け継ぐもの、 Bigotry:がんこな偏見, Unequal treatment: 不平等な扱い、No longer:これ以上、 Infects:感染・うつす、 Institutions:機関

ジョージ・フロイド氏の死を取り巻く状況が 徹底的に調査され、最終的に正義が行われることを確認することは、主にミネソタ州の役人に課せられています。しかし、「new normal(人々が平等に生きる時代)」を作るのは、人種や立場に関係なく、毎日、正しい方法で厳しい仕事をしていることに誇りを持っている法執行機関の大多数の男女を含む、私たち全員がやらなければならない仕事です。

 

まとめ

私自身海外生活が長いため、すごい些細なことだけれど今の行為は人種差別されたのかな?と考えることもあります。名前が外国人の名前だから、就職もすごい大変で、履歴書をみてくれる会社は少ないと思います。日本にいる時は心地がよく”日本”という国に守られているのですが、一歩海外に出ると相手からすれば私は、外国人になるのです。教育が人種差別をなくすというのも本当にそうだと思います。しかし、教育を受けることによって人種差別を隠すことが上手になるだけであり本当に差別がなくなるかと思うと不安です。

自分の身に起きていないからといって、 それ(差別)が起きていないということにはならない

白人や黒人、黄色人種ではなく、一人の人間としてたくさんの人が幸せで生きていける世の中になればいいなと切に願います。

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